誰にも会わない話

耳のするどい生きものになってうっとりと宇宙を聴いている感じ。( *_* )v

四年前の今日はようやく確定申告の書類を提出してからほっと一息ついてちょうどお昼前だったので適当に見つけた天ぷら屋で定食を食べたら想定外に美味しい天ぷらだったのでついでにビールも飲んでそのあと帰りの駅まで歩きながら空を見上げて遠くの山を見て今日と同じようにものすごく空気が澄んでいて「これは本当に美しすぎる日だよな」と思ったのを覚えている自宅に戻り仕事机に座りちょっと誰かと飲みたい気分だったので近所の芸術家のせんせいを誘って琵琶湖のほとりで昼酒でもしたいものだとぼんやり考えていたら・・午後2時46分・・ゆ〜ら、ゆ〜らとただならぬ大きな揺れを感じた「ただならぬ」とはまさにこのことで震源地はずいぶん遠くではあるけれども「そこ」ではきっとものすごいことになっているのだということははっきりと体感したひょっとすると地球の裏側の揺れが日本に来たのかと思うくらいの巨大な不気味な遠い揺れだったのだけれどツイッターを見ると次々に情報が入って来た東北だった・・そこからは呆然としてただただMacの画面とテレビの画面に釘付けになったまもなく買い物に出かけていたうちの奥さんがナニゴトもなかったように帰って来たので驚いたクルマに乗っていると揺れは全然感じなかったし街のようすも普段と変わらなかったという・・アタマの中には阪神大震災911の時と同じような現実感を超えてしまった空白があったそして自分の周りだけをみれば平穏無事の日常があってそのことがとても不思議だった夜になってお布団に入った時にようやく被災地の人たちの現実の辛さを実感して泣きそうになった布団の中にいても寒さを感じるほどの寒い夜だった・・あれから四年と聞いても「そんなに」時間が経過したようには感じないのだけれど逆に「まだ四年?」という感覚もある・・お日様はぜんぶ知ってて知らん顔それでも大地を照らし続けるすべてはマボロシなのだと微笑んでみても現実の風は冷たくてぼくはぬくぬくとここにいる・・午後2時46分、黙祷。