誰にも会わない話

耳のするどい生きものになってうっとりと宇宙を聴いている感じ。( *_* )v

手帳と財布とケータイとハンカチとサングラス程度がふわっと収まる柔らかな質感の大きくもなく小さくもなくどちらかと言えばカラフルで一年中使うことができて暗い色の服装をうまくまとめてくれるような斜め掛けできる幻の万能バッグを探しておよそ半年になるがそのようなものはこの世の中に果たして実在するのか否かいまだにその手がかりをリアルな店舗はもちろんネットの上や道行く人の持ち物の中で見つけることもできなくてならばイメージ通りのものを自分でつくるのは最初から無理としても誰かに作ってもらうとしてもその誰かに「こんなふう」に作ってくださいと具体的なオーダーをできるほどにぼくの欲しいイメージが成立しているわけでもなくもう何度も絶望の淵に立たされながらも根気づよくなにかのついでには意識を集中してその幻の万能バッグの影を追い求めるのであるがここでぼくはふと思った・・ryoちゃんは「それ」を持っているに違いない・・なぜならば愛用のカメラを携えて散歩の途中の公園で滑り台の上に登ってみたり電車に乗って目的の場所まで出かけ撮影に集中したあとで立ち飲みののれんをくぐるそのような行動に「それ」は無くてはならないバッグであるからだ・・ここでさらにぼくは思う・・そおいえばあの夏の終わりの話だ・・まだ足元はサンダル履きではあったがryoちゃんの首元にはふわりと秋の気配を感じさせるストールが巻かれていた・・ついでに言うならばあのようにすんなりと首元に収まる大き過ぎず小さ過ぎず大げさでもなく主張が物足りないというのでもないストールというものも世の中にはなかなか存在しない不思議な話ではあるが・・あ!・・ひょっとするとryoちゃんも幻かもしれないな。